正の数、負の数の加法(小6体験授業)

先日、校区内の小学校に体験授業をしに行きました。

前任校では、中学校に小学生が体験に来るというものでしたが、こういうものは多くの中学校でされているのでしょうか。

ただ、小学生向けに一から授業をつくるのは大変なので、中学校の授業でもやっているものを持っていきました。

f:id:mMasudasan:20211127234833j:plain

はい、トランプを使った正の数、負の数の加法です。

流れは以下のようにしました。

 

本時の課題は「足すと増える?」です。

質問の意味が分からないという人もいますよね。でも、大丈夫。今日使うのはこれです、といってトランプを見せます。

ルールの説明です。

①4人グループで、カードを配る。(カードは1~5の20枚+ジョーカー2枚)

②ババ抜きと同じように、相手に見えないようにカードを持ち、隣の人のカードを取り、次の人に取ってもらう。

③3周回ったらストップ。

④黒のカードを得点、赤のカードを減点、ジョーカーは0点として計算する。グループ内で協力して、全員が計算出来たら、記録をして、次のゲームを行う。

⑤5ゲーム行い、合計点が多い人が勝ち。

 

ゲームを開始します。

カードの枚数が5枚の人と6枚の人が出てくるので、不公平に思う子がいます。

大丈夫だからそのまま続けて、と流します。

1人5枚か6枚のカードを持つので、計算に苦労する子がでてきます。

ここはさじ加減なのですが、簡単すぎるとこのあとの「計算の工夫」が出てきにくくなると思われるので、少し難しめにしました。だいたいの子が2、3回すると慣れます。

f:id:mMasudasan:20211127235719j:plain

最初はこうやって分けて計算する子が多いです。

正の数と負の数に分けて、最後に合わせる方法です。

でも、なかには工夫する子がいたりします。

f:id:mMasudasan:20211127235853j:plain

0になる組み合わせを見つける方法です。

これは取り上げて、グループ内で共有させたりします。

あと、毎回全員の得点を合計すると0になることを利用して、計算が合っているかをチェックしながら各グループの様子を見ます。

f:id:mMasudasan:20211127234749j:plain

3ゲーム目、誰か間違っています(汗)

 

最後に、順位をつけるために5回分の得点を合計します。

ラスボス的な難しさになります。

これも協力することを促します。

 

最後の全体交流では、まず計算の工夫について共有します。

組み合わせを考えることは、算数の授業でもしているよね、と押さえます。

そして、課題に対するまとめです。

このゲームにおいて、「足すこと」とはカードを取ることです。

ゲームを振り返らせ、赤のカードを引いた時どんな気持ちになった?それはなぜ?と掘り下げていきます。

赤のカードを引くと、自分の点は減るのですよね。

カードは増えるのに、点数は減る。

「足すと減る」ですね。

最初に「カードの枚数が違うのは不公平」と言っている子がいましたが、枚数が多くても点数が多くなるとは限らないのですね。

赤のカード「マイナス」は中学校に入って学習します。また、一緒に勉強しましょう、とか言って、終えます。

 

この授業の事前検討会では、その頃に小6で学習している内容と絡めたものがいいかも、という意見が出ていました。

樹形図を使った確率や図形だったと思います。

このトランプゲームは、小6体験授業ではずっとやっている内容なので、そろそろ違う題材でもいいかなぁとか思ったりするのですが、同時に、やはりこの慌ただしい時期に、1回の授業のために準備をするのもなぁとも思ったりします。

何かいいネタがあれば教えてもらいたいです。